研究概要 |
アジア諸語の類型論的な特徴の一つに動詞連結(V1+V2)から構成される複合動詞構文がある。本研究は地理的にも隣接せず,系統的にも異なる南アジア諸語(マラーティー語,ヒンディー語)と東アジア諸語(日本語,韓国語)における複合動詞構文を対照させ,その類似点や相違点を明らかにすることを目的とする。さらにマラーティー語における複合動詞の歴史的な発達過程を解明し,日本語・韓国語のそれに関する先行研究と対照させ,言語変化における普遍性と個別性の究明を目指す。今年度は上記の研究目標の達成に向けて以下の要領で研究を行った。 (1)代表者のパルデシは協力者の柴谷方良とPeter Hookと打ち合わせを重ね収集したデータの分析を進め、アジア諸語12ヶ語におけるKEEP/PUTを含む複合語動詞構文の共時的対照研究を行い、その成果をベルギー、アメリカ合衆国、とオーストラリアで開かれた国際会議で発表した。この研究によって複数の言語におけるKEEP/PUTの文法化の度合いの違いを明らかにすることが出来た。 (2)研究代表者(パルデシ)と研究協力者(Hook氏)はアジア諸語における複合動詞の通時的研究(発達過程)に関する研究を行い、その成果をアメリカ合衆国、オーストラリアで開かれた国際学会で発表した。 (3)研究代表者(パルデシ)、分担者(鄭)と研究協力者(Hook氏)は日本・韓国・インドの憲法における複合動詞の使用実態を調査し,複合動詞使用におけるジャンルの影響に光を当て、その成果を関西言語学会およびオーストラリアで開かれた国際会議で発表した。
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