研究概要 |
研究初年度である平成18年度は、それぞれの項目について以下のように研究を実施した。 グイ語言語資料の統合と電子化については、中川裕東京外国語大学教授から提供を受けた文法調査ノート(未整理・音声資料なし)の電子化を進め、一次的作業(基本情報の入力)はほぼ終了した。しかしながら、現時点ではキー入力が容易で対応がもっとも簡便で分かり易い形式を用いているため、トーン記号等をどのように付けたし再加工するかは来年度以降検討する。また、付加的文法情報についてもどのように統合するか今後検討・追加してゆく。既にトランスクライブされている音声資料の分類についてはデータの変換などの準備作業を行った。 グイ語談話文法の分析については、談話文法一般についての基本的図書の収集と同時にグイ語一次資料の収集も行った:ボツワナ国への海外出張を行い、モダリテイー要素の語順と意味について文法調査を行った.その結果,「伝聞」のマーカーであると思われる要素だけが主語を超えて文頭に出ることが可能であることを確認した。 また南アフリカ共和国への海外出張を行い、コイサン諸語の研究者であるA. トレール名誉教授よりグイ語とその周辺の中部コイサン語を調査した際の音声資料(オープンリール)の提供を受けた(予定していた出張ではないが,資料保持には緊急を要したため予定を変更して実施した)。これらのデジタル化と内容分析は来年度以降行う予定である。
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