研究課題
年度の全般にわたり、日本語とドイツ語のテクストコーパスの作成・整備に先立って、研究状況の俯瞰と土台づくりに専念した前年度の成果を参照・展開しながら、国内外の文献データに当たって研究動向を適確に掌握することに腐心した。研究分担者の岡本は、7月の国際語用論学会において研究発表を行い、某企業のメーリングリストの分析の結果、メールの多様な絵文字、記号、日本語の4種類の文字表記などの視覚的要素の使い分けを通してテクストによって伝えられる可能性のある摩擦を回避し、人間関係を維持し構築していく過程が解明された。これにより、言語記号と視覚的記号との関係究明において重要な示唆が得られたと言える。研究代表者の渡辺は、10月から11月にかけてチューリヒ大学に研究滞在し、海外共同研究者との意見交換や専門的コメントを求められての授業への参加を通じ、日独両言語の個別性と共通性にも特段の注意を払いながら言語記号と視覚的記号との関係やテクストデザインについての知見を深めるとともに、デジタルニューメディアを含むメディア言語学の専門圏域における資料収集を行った。また国内では、作品と書体の関係についての小規模なアンケート調査を実施した。分担者の甲賀も、11月と2月の講師を招待したうえでの「専門的知識の提供」(イメージ・リーディングと携帯コミュニケーションに関するもの)において、グラフィックデザインの視点から議論の深化への積極的な貢献を行った。こうした一連の作業や相互の意見・情報交換を通じて、最終年度に向けた新たな目標設定が可能となった。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
日本独文学会編『ドイツ文学』, 郁文堂 6-4(136号)
ページ: 1-21
岡本能里子/佐藤彰/竹野谷みゆき(編)『メディアとことば 〔特集〕社会を構築することば』, ひつじ書房 3
ページ: 26-55
ページ: 2-23
Jugendsprachen:mehrsprachig-kontrastiv-interkulturel 1, ed. by Eva Neuland(Frankfurt usw.:Lang)
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Schriftlichkeit und Bildlichkeit. Visuelle Kulturen in Europa und Japan in, ed. by Ryozo Maeda Wilhelm Vbssk amp, Teruaki Takahashi(Munchen:Fink)
ページ: 251-263
小川貴士編著『日本語教育のフロンティア-学習者主体と協働-』
ページ: 79-110
<Aspekte der der dutschen Standardsprache:Entwicklung und Gebrauch>=Studienreihe der JGq ed. by M. Gabriela Schmidt (東京:日本独文学会) 048
ページ: 40-50