中国と日本の政治的、文化的影響が強かった「内モンゴル」(現在の中国、内モンゴル自治区)ではモンゴル語語彙の近代化がどのように行なわれてきたのか。本研究では、まず日本、中国、モンゴル国、ドイツなどの諸資料館から収集された膨大な一次資料を整理、分析し、調査が不十分な国や地域での再調査を実現させる。それにより、この分野における研究の基盤を築き上げる。 具体的には、モンゴル語近代語彙形成の初期段階にあたる20世紀初期の重要なモンゴル語文献、とりわけ『蒙話報』(Mongvul usug-un bodurul)誌(1908年創刊)の資料及び語彙の分析を極めることにより、現代モンゴル語における数多くの語彙の出典を明らかにする。
|