研究課題
音声言語の認識と生成において、幼児・成人を問わずプロソディが重要な役割を果たすことが認められている。しかし、語のアクセントやストレスを認識・生成する際に、どのような要因が関わり、それら要因の普遍性・個別性、さらに訓練の効果について実験的に調べた研究は見当たらない。英語はストレスアクセントをもつと考えられているが、どの音節にストレスを置くかを決定する要因は何であろうか。また、日本語はピッチアクセントをもつと考えられているが、日本語話者は何を手がかりに英語のストレスを認識するのであろうか。本研究は上記の問いに答えるため、英語話者と日本語話者を対象に、音節構造と品詞が、語のストレスの生成と認識にどのような影響を与えるかを調べた。英語話者(ハワイ大学学生16人)と日本語話者(京都女子大学学生16人)が、2音節からなる英語風無意味語(例:bopken)の生成・認識の際、語の強勢位置を決定するために、どのような要因が影響を与えるかを調べた。生成課題では、参加者は刺激語を単独と文中で声を出して読み、ストレスをどちらの音節においたかを答えさせた。認識課題では、刺激語(1音節目か2音節目に強勢を置いて読まれたもの)を含んだ文ペアーを聞いて、どちらがより英語らしいかを判断した。結果として、音節構造(母音の長さと子音の数)と品詞(名詞か動詞か)は、両言語話者に影響を与えたが、程度は多少異なった。母音間子音の音素配列制約は、英語話者のみに影響を与えた。生成課題と認識課題の比較、日本語の音節や語彙の性質が英語のストレスパターンの認識や生成に与える影響について考察した。
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Proceedings of Interspeech 2008, (Brisbane, Australia, 22-26 September 2008) (CD-ROM1枚)
ページ: 1955-1958