研究概要 |
1.文献調査等に基づく方法論の検討 三者会話分析,言語行動の地域差,初対面での関係構築行動などに関する先行研究の検討,および予備的調査で得られている分析結果の見当に基づいて,三者面接調査談話のデータ分析方法を担当者間で検討した。 2.データ収集のための調査の企画 データとする三者面接調査の内容(話題・質問項目)や面接時間などの設計を行い,記録方法(録音・録画)を確定した。同時に,調査地点(秋田,東京,大阪)も確定した。 3.データの収集 三者面接調査談話データの収集を行った。研究全体の目標数は,上記三地域の各々について12件(友人ペアを男女各3件,初対面ペアを男女各3件)の計36件であるが,そのうち以下の調査を達成した。 <秋田>14件(友人ペアを男女各3件,初対面ペアを男女各4件) <東京>4件(友人ペアを男女各2件) <大阪>6件(友人ペアを男性4件,女性1件,初対面ペアを女性1件) 4.データの作成・分析・考察 収集した録音データを文字化資料を整備することと並行して,録画データとも併せた談話データの分析を開始した。面接談話における回答者間相互作用の種類と働き,そして特に初対面回答者の参与行動や相互の働きかけについての分析を行い,その結果を以下の形で発表した。 木谷直之・熊谷智子(2007)「三者面接調査における初対面回答者の参与行動」『社会言語科学会第19回発表論文集』pp.98-101 また,副次的な成果として,面接調査で得た回答内容に基づく以下の発表を行った。 熊谷智子(2007)「言語行動と「属性」」(「シンポジウム:社会言語学における人の『社会的属性』の扱いを問い直す」での発題)『社会言語科学会第19回発表論文集』pp.366-368
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