本研究は、古代語動詞のル・ラル(ユ・ラユ)下接形(ラレル形)および動詞ミユ・キコユ・オボユなどを述語とする文(出来文)の格体制を資料に即して調査し、その実態を明らかにすることを目指す。具体的には下記のとおり。 (1)『源氏物語』に用いられている出来文の全例について次の点を調査する。 ・ 述語動詞の種類(ル・ラル下接形の場合) ・ 動作主項目の表示法 ・ 出来文述語に対応するル・ラル非下接形などを述語とする文(対応する文)の格体制と、出来文で主語になり得る名詞項目の格 (2) 調査結果をデータベース化する。
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