研究課題/領域番号 |
18520362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
井上 史雄 明海大学, 外国語学部, 教授 (40011332)
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研究分担者 |
加藤 和夫 金沢大学, 教育学部, 教授 (60137015)
武田 拓 仙台電波工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (20290695)
半沢 康 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10254822)
日高 水穂 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80292358)
山下 暁美 明海大学, 外国語学部, 教授 (10245029)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 方言 / 日本海 / 共通語化 / 社会言語学 / 年齢差 / 新方言 |
研究概要 |
本研究では、日本海側に分布する諸方言の地理的年齢的動態に着目して、総合的な実態調査を行った。線状の地域で年齢別にことばを調べて図化する「グロットグラム」(地理×年齢図)の手法は、日本方言学が独自に開発した、世界に誇るべき新技法である。これまで日本列島を縦断して北海道から九州まで延長された。本研究では、共同の現地調査により、日本海側のことばの動きを明らかにし得た。 H18年度には、滋賀県湖西地方で、グロットグラムのための実地調査を実行し、計画地点のデータを得た。調査員としては、研究分担者が参加した。また山形県鶴岡市近郊の山添地区全員調査は、H18年度冬に行った。調査票などは15年前とほぼ同じものを使った。達成率は約70%だった。 H19年度には、これまでやり残した北陸地方で現地調査を行うとともに、H18年度までに行った調査結果をすべてコンピューターに入力し、図表の形で出力した。図版としては、青森・秋田編・日本海東部編・滋賀県湖西地方編の3種にまとめ、合わせて1冊の報告書として刊行した。目本海側各地で今なお方言形の新発生と伝播が行われていることが確認できた。多変量解析法を適用した結果、地理的相違が大きく、また年齢差も顕著であることが分かった。また関連調査として、北海道の高校生と父母のアンケートデータを報告書として刊行した。 山形県鶴岡市近郊の山添地区全員調査は、結果の一部をコンピューターに入力し、音韻項目について図表の形で出力した。鶴岡市の1950年以来3回の調査および山添での1975年以来2回の調査結果と合わせてグラフ化し、言語変化のSカーブという理論モデルが適用可能であることを確認した。 以上について、報告書を計3種類刊行した。協力者へのお礼兼報告として、滋賀県湖西地方編の小冊子は多数を作成した。今後国際会議および国内の学会でも成果を公開する予定である。
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