研究課題/領域番号 |
18520364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
兼築 清恵 (坂本 清恵) 日本女子大学, 文学部, 教授 (50169588)
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研究分担者 |
上野 和昭 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10168643)
佐藤 栄作 愛媛大学, 教育学部, 教授 (80211275)
鈴木 豊 文京学院大学, 外国語学部, 教授 (70216456)
加藤 大鶴 山形短期大学, 総合文化学科, 講師 (20318728)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 漢語アクセント / 漢語アクセントデータベース / アクセント史 / 近世漢語アクセント / 平家正節 / 医心方 / 延慶本平家物語 / 声調 |
研究概要 |
本研究は、漢文脈系資料に現れた字音の声点に基づいて、非漢文脈系資料に現われた漢語のアクセントとの関係から、漢語アクセント変遷の実態を明かにすることを目的とした。性格の異なる資料を対照させることで、外国語を指向した学習音としての字音声調が日本語としての漢語アクセントに融和する姿を捉え、外国語の輸入と定着をアクセント史のパースペクティブのなかに位置づけようとしたものである。 第一の研究成果は、漢語アクセントデータベースの構築である。従来字音声調資料として重視されてきた『金光明最勝王経音義』『観智院本類聚名義抄呉音和音』『九条本法華経音』『保延本法華経単字』『洗華経音訓』および広韻をコンピューターに入力して字音来源情報の基礎データとし、Microsoft Accessで管理できる形とした。これによって非漢文脈系資料に現れる漢語声点との対照が容易となり、大規模データを用いた統計的な研究への展開が可能となった。このデータベースは他のデータベースと簡単に連携して活用されることを念頭に構築されているため、漢語アクセント研究のプラットフォームにも成りうるという意義がある。第二の研究成果はこのデータベースを利用しての漢語アクセントなどの研究である。『延慶本平家物語』および『半井家本医心方』の漢語声点の基礎的分析のほか、近世デクセント資料として重要とされる『平家正節』の実態と史的位置づけなどの成果があった。特に後者については、呉音形字音に基づく漢語は多くが単字声調との対応を規則的に有しているごとが分かった。また漢音系字音に基づく漢語は、呉音ほどではないにせよ一定程度原音との対応が見られることが分かった。従来、わずかな方言資料に基づいて概略的に言及されることの多かった漢語アクセントについて、大規模な歴史資料から実証的かつ精密に検証することができたことは大きな成果といえる。
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