20年度は、本科研で扱う構文イディオムのうち、18年度と19年度におこなった大規模コーパス調査により明らかになった、One's Way構文(I made my way to the Savoy.)の変種で、wayのところがwaysとなるものを中心に、その他関連構文4つの変種も含め、それらの変種が何故可能になるのかについて、構文理論、動的文法理論の観点から考察し、その研究成果を2008年5月25日に広島大学で行われた日本英文学会第80回大会のシンポジウム『事例研究から見た英文法の一断面』において「構文の変種」という題目で講師として口頭発表した。その口頭発表の内容の一部を日本英文学会発行の『第80大会Proceedings』に「構文の変種」として執筆し、印刷された。 本科研は、大規模コーパスを利用することで新たに発見された言語事実をいかに言語理論から説明するかということと深く関わっている。そこで、本科研で扱う構文イディオムと深い関係にある英語の特殊な構造で、副詞が項に相当する補部をとる構造を取り上げ、大規模コーパスを用いて調査し、その内部構造、外部構造、意味解釈を明らかにした。そして、その特殊構造を説明するのに、統語的アプローチ、意味的アプローチ、動的なアプローチのどれがふさわしいかについて考察した。その研究成果を、2008年11月16日に筑波大学で行われた日本英語学会第80回大会のシンポジウム『英語構文研究:言語理論とコーパス』において「補部をとる副詞について:周辺部の分析に役立つ大規模コーパス」という題目で講師として口頭発表した。その口頭発表の内容の一部を青山学院大学教授秋元実治先生の退職記念論集に執筆させていただいた。目下、記念論集は編集作業中である。
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