• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

削除文に課せられる統語条件と意味条件の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520383
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山口大学

研究代表者

島 越郎  山口大学, 人文学部, 助教授 (50302063)

キーワードgapping / VP-ellipsis / reflexive pronoun / strict identity / sloppy identity
研究概要

平成18年度は、英語における次の二つの削除文について研究を行った。
(1)a.Leon read The FACTS and Manny The Great American NOVEL.
b.John read The FACTS, but Mary didn't.
文(1a)では接続詞andの後の文における動詞readが省略されており、このような省略文は空所化(gapping)と呼ばれている。また、(1b)では接続詞butの後の文における動詞句read The FACTSが省略されており、このような削除文は動詞句削除(VP-ellipsis)と呼ばれている。これら二つの省略文は、次の三つの点において異なる特徴を示す。
2)a.動詞句削除の先行詞は、談話上において二つ以上先行する文中に存在することができる。一方、空所化の先行詞は、同一文中内、または、直前の文中に存在しなければならない。
b.動詞句削除の先行詞は、談話上の文中に存在する言語表現以外に、談話の状況でも構わない。一方、空所化の先行詞は文中に存在する言語表現に限られる。
c.動詞句削除の先行詞に再帰代名詞(reflexive pronoun)が含まれる場合、その代名詞は厳密な同一性(strict identiy)とゆるやかな同一性(Sloppy identiy)の解釈を許す。一方、空所化の先行詞に再帰代名詞が含まれる場合、その代名詞はゆるやかな同一性の解釈しか許さない。
これら三つの違いを、「動詞句削除には削除部分に発音されない空の代用表現が生起する可能性があるが、空所化には削除部分に空の代用表現を生起させる可能性はなく、必ず統語構造が生起する」という仮説に基づいて体系的に説明することを試みた。(尚、これらの研究については、一本の論文に纏め、学会誌に現在投稿中である。)

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi