研究分担者 |
岡本 能里子 東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (20275811)
三原 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00343559)
茂住 和世 東京情報大学, 総合情報学部, 助教授 (20286181)
佐々木 泰子 お茶の水女子大学, 国際教育センター, 助教授 (20251689)
影山 陽子 日本女子体育大学, 体育学部, 講師 (60366804)
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研究概要 |
平成18年度においては,研究代表者・分担者・協力者が所属するそれぞれの機関において,専門から将来へとつながる日本語表現能力として,大学生・大学留学生に対して社会から要請されていることの構成要素を探った。同時に,専門に限らず,生涯にわたる社会人,市民として要求される日本語表現能力についても検討を行なった。具体的成果としては,これまで大学教育の中で行なわれてきた日本語表現能力育成の流れの分析,大学初年次の基礎ゼミナールと日本語表現法関連科目の構成要素の整理という形で発表した。 また,授業実践の記録と文字化・分析の作業を進め,大学入学直後の留学生に対する専門への橋渡しのコースや,実技的実習と書くことによる振り返りの統合など,いくつかの具体的なカリキュラム案を発表した。さらに,学習者が書いた産出物や,学習者間の会話(ピア・レスポンス)の文字化作業を進め,その結果から,初年次段階の文章の構成要素(ムーブ)の分布や,ピア・レスポンスの中の相互行為についての分析を発表した。また,日本人大学生と留学生または海外の大学生との授業を介した交流のカリキュラム化の検討を進め,そこに見られる相互行為のデータ化,分析を進めている。これらの実践に関する文字化・音声データの収集作業および分析作業は,現在も進行中である。 同時に,ピア・レスポンスの手法に対する広範な理解を促進するため,手法導入のビデオを,謝金を用いて制作し,教師対象のワークショップにおいて使用した。参加者からの疑問や反応も記録し,それらのフィードバックをもとに,さらに手法導入の資料について検討を続けると同時に,公開を前提とした整理作業を進めている。年度末には,研究分担者・協力者らによる成果の報告会を行い,複数の訓練や学びを統合するという発想,教師間・学習者間の協働という発想を持ったカリキュラムの構築について検討した。
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