研究概要 |
本研究の目的は、大東亜戦争中日本の占領下のシンガポールにおける、ラジオ放送や新聞などのメディアによる日本語の普及と使用された教科書を調査し、メディアによる日本語普及の実態を明らかにすることにある。研究代表者(郭俊海)は、平成19年8月15日から8月28日まで約2週間にわたって、シンガポールに渡航しシンガポール国立大学、シンガポール古文書館、シンガポール国立博物館にて、戦時中に刊行された英語新聞「Shonan Shimbun(昭和17年2月20日初刊-昭和20年9月6日廃刊)のラジオ日本語講座「Nippon-Go Lesson」を対象に追跡調査を行い、日本語普及や日本文化宣伝の関係記事を収集した。 これまでは、上記の新聞に刊行されているラジオ日本語講座のテキスト(昭和17年2月-昭和20年9月)の3年7ケ月分の目録や日本語普及や日本文化宣伝の関係記事のタイトルの目録を刊行の時間順に作成した。また、これまで収集した3年7ケ月分の「Nippon-Go Lesson」を語彙、文法別に分類・分析を行い、内容、シラバス上の特徴をまとめ、その結果の一部をオーストラリアで開催される国際学会で発表した(Japanese Language Teaching in Singapore during the Japanese occupation:1942-1945,the Fifteenth Biennial Confbrence of the Japanese Studies Association of Australia,30 June-5th July 2007,the Austrahlian National Uhiversity)。 現段階では、収集した「Nippon-Go Lesson」をコンピュータ上で検索できるように単語・文法別に分類・分析を転写する作業を進めている。また、最終的に研修資料叢書として出版する計画についていくつかの出版社と交渉中である。
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