研究課題/領域番号 |
18520405
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
中平 勝子 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (80339621)
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研究分担者 |
松田 真希子 長岡技術科学大学, 工学部, 講師 (10361932)
加納 満 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (80251859)
金村 久美 名古屋大学, 法学研究科, 特任講師 (20424955)
三上 喜貴 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70293264)
柴崎 秀子 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00376815)
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キーワード | 日本語教育 / ベトナム語 / 漢字 / 対照言語学 |
研究概要 |
本研究では日本語能力試験出題基準中の漢字2字で構成される日本語約3500語について、その語に対応する漢越語あるいは固有語を記した漢字データベースを作成した。その結果、日本語の漢字語AB(例:大学)と同じ漢越音を使っており、意味も同じであるベトナム語A'B'(例:Daihoc)が来る割合は25%程度であった。また、ABに対してA'C'、B'A'が来るようなずれを含めると、全体の4割程度であった。特に日本語能力試験出題語彙の1級や2級に占める漢字2字語との一致率は高いことが分かった。逆に4級や3級に導入される2字漢宇語は、ほとんどがベトナム語の固有語に対応した。また、和製漢語約300語においても一致を調べたが、6割以上が一致語であることが分かった。したがって、初級レベルでは漢越語の知識は活用しにくいが、中級以降において漢越語の知識は日本語学習に有利に活用しうることが明らかになった。また、和製漢語は抽象的な学術語が多いことから、専門用語獲得においては更に漢越語の知識が有利になる可能性が示された。 本研究ではこの一致とずれの情報を盛り込んだ漢字教材を作成した。日本語能力試験の級別に一致語、ずれている語、異なる漢越語が対応する語、固有語が対応する語などを、使用頻度順に提示した。その結果、学習者は自らが知識として有する漢越語を基準とし、その一致とずれの情報によって日本語の漢字語彙を効果的に覚えることができるようになった。 今後はこの教材をWEBでも利用できるよう対応する予定である。
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