日本語学習者の発音上の特徴を、長さのコントロールの不正確さから記述を行ってきているが、このことを分析するために、リズムユニットとその配置特徴という概念を用いている。実際には、どのような語において特徴的なユニット配置がみられるのか、中国語話者、韓国語話者、英語話者、およびスペイン語で考察したが、なぜそのような特徴が現れるのかは不明であった。そこで、呼吸に注目し、呼気圧、呼気流量が長さ、あるいは持続時間に与える影響を調べるために分析を続けている。 18年度は以上の目的のために、韓国人日本語学習者2名のリズム生成の特徴を日本人話者と比較分析した。資料語は、リズム型122型の語で、「たたんたん、ただんたん、だたんたん、だだんたん」および第ニユニツトを「たー、だー、たっ、だっ」に置き換えた12語を分析した。これらの語を「それは..........です。」の埋め込み文にいれた発話を10回ずつ収録し、分析の対象とした。この分析を通して、有気音、無気音の違いによる内破の持続時間と生理的なパラメータである呼気圧と呼気流量がユニット生成にどのように関与しているかを明らかにしてきた。また、リズム配置の特徴的な語と呼気圧と呼気流量との関係についても考察を続けている。 これらの分析結果については、口頭発表および研究論文として公表すべく準備を進めている。
|