本年度は、(1)18・19年度におけるML上でのディスカッション・教育実習での実践によって、海外教育実習担当者2名がどのように変容したか、(2)メンターを務めた3名が、メンタリングを行う際に、どのような点で躓き、どのようなサポートが必要とされ、各自が抱えた困難をどう克服していったかについて調査する予定であった。しかし、海外教育実習担当者2名が年末に実習の現場を離れ帰国したこと等の理由で、以下のような形で調査が進められることになった。 4月上旬〜下旬 18年度の日本語教育実習のふり返り。 5月上旬〜9月下旬 各自の実践の場で、「メンターとしてのあるべき姿」を理論面・実践面から探究し、MLに送り共有する。研究代表者は「メンター日記(代表者自身の奮闘努力を日記形式で記したもの)」を定期的に配信する。 10月上旬〜1月下旬 それまでの学び・気づきをまとめ、レポートとして提出。 海外教育実習担当者:どんな援助がほしかったか、どんな援助が役に立ったか/立たなかったか、等 メンター:どんな援助がほしいだろうと思っていたか、どんな援助を行ったか/行わなかったか、それはなぜか等 2月上旬 研究代表者とメンターとの意見・情報交換 2月下旬 教育実習担当者対象のインタビュー調査及びコミュニケーション能力を向上させるワークショップの実施 3月 研究代表者が、上掲のインタビュー・レポート等で得られたデータを総合的に分析 '本年度、明らかになったのは以下の点である。 ・短期集中型の教育実習期間中に、深い内省への従事を促しても、心理的・時間的余裕がないため、うまく機能しない。この解決のためには、内省活動に予め慣れ親しんでおくことが必要不可欠である。 ・メンターの育成に関しては、「こうすればいい」というモデルを示し、その型の模倣から始め、次第に自分のものにしていくというプロセスが、発展途上の海外教育実習担当者には必要である。
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