現在ヨーロッパでは、欧州評議会とEUのマクロ政策的イニシアティヴにより、言語政策におけるヨーロッパ共通の枠組みづくりが進められ、大きな成果を挙げている。この研究では、そのプロセスが言語教育はもちろん、EU内の合意形成や歴史的マイノリティに対する政策、移民統合政策等とかかわりながら同時進行していること、それが民主主義による国民国家理念や市場合理主義の超克の試みであること、さらには、そうした成果を日本の言語政策に取り込むには、外国語教育の現場やDiversity Managementといったミクロ的次元から出発すべきことを示した。
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