本研究の目的は、静岡県沼津市で、18年4月から実施された小学校・中学校(小・中)連携の下におこなわれる英語教育実践を縦断的に観察し、生徒(特に中学校3年生)に身につく英語能力がどの程度のものになるのか調査することである。「連携のとれた小・中一貫教育をおこなえば、中学生の英語能力は現状よりも全体的に向上するはずである」という仮説を立てた。4年間でその検証をおこなう。小学校と中学校の連携さえスムーズに行けば、中学3年生の卒業時点で、現状の中学3年生の英語能力よりも能力が必ず向上すると本研究者は考えている。 毎月の定期観察以外に、平成19年2月から3月にかけて、3つの中学校を対象に筆記試験による調査を開始した。調査内容は、英語の読解力、語彙力、文法能力、表現能力の調査である。現在(平成19年3月20日)、教育委員会をとおして郵送されてきた答案を分析中である。この分析により、沼津市の中学生の平均的な英語能力が把握できることになろう。分析は5月をめどに終了したい。来年度も同様の調査を同時期におこなう。テスト問題の不備があれば、部分的には修正することになるだろうが、基本的には同一の問題を5年間ぐらい続けて出題し、中学生の英語能力がどのように変化するか(または、変化しないか)、確かめることになる。
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