沼津市で実施されている「言語教育特区」における「英語の時間」での英語教育の実施によって、英語能力が伸びるのかどうか調査するのが目的であった。具体的な英語科の時間数は、中学校で、プラス1時間され、年間140時間(普通は105時間)、小学校では3年生以上で週2時間程度の英語の時間があった。このような状況で、小学校6年生の修了時期と中学3年生修了時期で英語能力が伸びているかどうか調査した。その結果分かったことは、聴解能力、発話能力、語彙能力は伸びていたが、文法能力は伸びていなかった。この結果はある意味で妥当な結果であったと言えよう。なぜならば、1時間増加された「英語の時間」は、口頭でのコミュニケーション能力を重視した授業構成になっており、文法能力に重きを置いた活動はしていなかったからである。ともかく、小学校での英語の時間を設けることと、中学校で1時間英語の時間が増えることは、生徒の英語能力を伸ばすことが出来ることがわかった。その意味で、言語教育特区の取組は無駄ではなかったと言えるだろう。
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