研究概要 |
平成18年度は,大学の英語教育における英語学・理論言語学の応用,情報処理技術の活用の状況の調査などに関して情報を収集するとともに,関連分野の研究者と情報交換を行った。また,これまで行ってきた関連研究の成果のうち,本研究に利用可能なプログラムの整理・改良およびコーパスデータの整備を進めたが,その結果,当初の計画よりも早く,プロトタイプとなる用例検索システムを稼働させることができたため,学生モニターによる評価を行い,現段階における問題点の洗い出しを行った。モニターによる評価においては,検索システムの個別の機能・インターフェースだけでなく,学習者が自習により検索システムの利用法を学ぶためのチュートリアル,具体的な言語活動の案なども併せて評価の対象とした。 本研究課題では,言語としては英語,学習項目としては語法・文法等を直接の対象とするが,英語の語法・文法の習得において有用な情報処理技術が,英語に限らず言語学習一般に有効なものであるかを検証するために,また,できるだけ広く可能性を探ることを目的として,他言語(特に日本語と韓国語)や他の活動への応用も積極的に試み,日本語の用例検索システムや英語や韓国語のディクテーション自動採点システムなどの試作も行った。韓国語のディクテーション自動採点システムについては,実験的にサービスをウェブ上で公開するとともに,外国語教育メディア学会中部支部においてシステムの内容およびその有効性に関して発表を行った。
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