研究概要 |
本年度は、研究の出発点として、中学・高校の英語の学習指導の方向性を示す学習指導要領を、「1947年学習指導要領英語編(試案)」から、現行学習指導要領まで振り返り、現行学習指導要領の「音声による実践的コミュニケーション能力の育成の重視」という目標にこめられた、「英語の音声・発音指導」の意義と必要性を、学習モデル、学習内容、学習指導観の3つの観点から分析を行った。変遷を経てきた現行の学習指導要領から読み取れる,音声・発音指導のモデルは,RP,或いは,GAに相当する「現代の標準的な発音,英語」であると考えることが妥当であり,学習面では,英語の音声に特有の韻律的特徴を理解し,これに習熟しながら,正しく英語を聞き取り,発音できる英語の指導が期待されると推測される。現行の学習指導要領が示すように,中学校,高等学校における英語教育は,コミュニケーションを接点に,教室の英語と国際社会で日常的に使われる実践的な英語との関係の強化する方向へと進んできている。そのひとつの表れが音声によるコミュニケーション能力の育成の重視であり,そのためには,正しく分かりやすい音声・発音の習得が必要で,これを支えるのは音声・発音指導ということになる。
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