初年度は、英語リスニング試験の形式や内容について、国内外の代表的なテストを検討した。具体的には、大学入試センター試験のリスニング問題、東大などの独立行政法人(旧国立大学)のリスニング問題、TOEICおよびTOEFLのリスニング問題である。これに加えて、韓国の大学入試問題のリスニングおよびリーディング問題の形式と内容も検討した。 その結果、韓国の問題は、聞いたり読んだりする目的やストラテジーに応じて、個別のリスニングやリーディング技能を測定するように工夫されており、国内のテスト内容とかなり異なることがわかった。次年度は、どのようにテスト形式と内容を変えることによって、学習者(被験者)のリスニング能力の測定結果がどのように変化するかを実証的に調査する予定であるため、韓国の問題については、留学生の協力を得て、問題文を日本語に翻訳し、リスニング音声資料は韓国語の部分を削除しなりなどして、日本人学習者が受験できるように編集した。また、リスニング能力の下位能力の1つである音声語彙サイズを500語レベルから1万語レベルまで測定できる音声語彙テストのCD版も編集・整理した。 さらに、海外のリスニング試験事情をスペインで調査したが、スペインの英語教育はまだまだ発展途上であり、韓国のリスニング試験のように洗練されたレベルにはまだ至っていないことがわかった。
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