研究課題/領域番号 |
18520451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
須藤 路子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60226587)
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研究分担者 |
松野 和彦 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (90029679)
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キーワード | 生成のメカニズム / 音声言語習得 / リズムパターン / 母語習得 / 第二言語習得 / 生成実験 / ISI(Interstress interval) / ストレス |
研究概要 |
初年度における被験者として、成人母語話者(米国人成人)、言語習得過程にある母語話者(米国人小学校3年生)と日本人英語学習者(海外滞在経験のない大学生)の3グループの話者を用意した。研究の目的は、英語の母語習得と第二言語習得におけるリズムの生成パターンを観測・分析し、リズムパターン生成のメカニズムを解明することである。ISI(interstress interval)と音節数の観点から、母語習得と第二言語習得における持続時間制御パターンを観測した。ストレスのない音節がISI内に加えられるにしたがって、3つの被験者グループにおいて持続時間の差違が広がり、持続時間の増加率も、被験者グループにおいて異なっていることが観測された。ISIの持続時間増加率と母音の持続時間短縮率から、日本人英語学習者の持続時間制御に著しい影響を与える要因として、ISI内のストレスのない音節が2単語以上にまたがるか、同一単語内であるかという要素が観測された。また、その要素は、米語母語話者の小学生の持続時間制御には大きく寄与していないことが観測された。一方、米語母語話者の小学生においては、発話スタイル、具体的にはreading styleまたはconversational styleで発話しているかが、ISIと母音の持続時間制御に影響を与えていることが本研究の結果から示唆された。本研究において、音節とISIの観点からリズムパターン習得を分析することが、母語習得と第二言語習得に影響を与える要因を明らかにするために有効であることが示唆された。
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