研究課題/領域番号 |
18520452
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
新倉 真矢子 上智大学, 外国語学部, 教授 (70338432)
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研究分担者 |
菅原 勉 上智大学, 外国語学部, 講師 (10053654)
小島 慶一 聖徳大学, 人文学部, 教授 (90234757)
平坂 文男 関東学院大学, 文学部, 教授 (80173227)
井上 美穂 上智大学, 一般外国語教育センター, 講師 (40424189)
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キーワード | 語らしさ / 言語のリズム / 外国語教育 / 英語:ドイツ語:フランス語 / 音声言語 |
研究概要 |
・昨年度よりの分析を継続中。韻律的特徴の一つであるリズムは、各言語の音響パラメータが主要な役割を果たし、英語、ドイツ語では強さ(intensity)が、フランス語、日本語では長さ(duration)がその役割を担うとされる。英語、ドイツ語は強さによりアクセントの弁別機能が行われ、アクセント位置では強調的な、その他のところでは弱調的な調音が行われる。フランス語はフレーズ末の音節が長くなることと比較すると、日本語母語話者にとって上記3言語の生成と知覚の両面において困難が生じる。 ・英語のアクセント位置の強さに関して日本人初学習者は、十分な精度で英語母語話者のそれを再現することができた。長さではアクセントの有無に関係なく、とりわけ無声摩擦子音では英語母語話者と日本人初学習者との間で大きな差異は見られなかった。母音の長さは英語母語話者の場合アクセントの有無により大きく変わるが、日本人初学習者ではアクセントの有無による影響が殆どみられず、常にほぼ一定の長さを維持する傾向が見られた。 ・ドイツ語で人称語尾/en/及びその縮約形/n/の生成と知覚に関する実験を行った結果、初学習者では両面でシュワー音削除形の習得が低度であり、基底となる形と縮約形との間の結びつきに欠けることが明らかになった。ただし、語彙量の増加により両面での改善が見られた。 ・フランス語ではフレーズの境界表示機能に文末音節の長さが主要な機能を担っているが、文末音節の長さも母語話者と日本人の区別に関与しているとみられる。・母語の違い及び外国語習得の関係を探るためにドイツ語とフランス語の第2外国語学習者各20人にテキストの聴取と録音をし、現在分析中である。 ・次年度に向けて発音プログラム作成のために理論的な枠組みに取り組んだ。インターネットで学習者の進度に合わせて教材を配信できるようなプログラムのプロトタイプを作成した。
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