研究概要 |
本研究は、大学1-2年次にかけて18ヶ月ボストンに留学(日本人学生がまとまって生活し、授業の中が主要な英語使用の場となるパーシャル・イマージョンに近い留学形態による)した都内女子大学生34人と5ヶ月のみ留学した同大学コントロール群学生28人の、英語総合能力(TOEICによる)、スピーキング能力(SPEAK TEST (ETS),ディスカッションデータによる)、個人要因(性格、不安傾向、動機)を留学前pre-testと帰国前post-testによって収集して、それらのデータの分析と結果の比較により、留学が被験者の英語力とスピーキング能力に与える効果、英語能力、スピーキング能力と個人的要因との関わりを明らかにようとしたものである。Pre-testは平成18年度に、post-testは平成20年度(研究最終年度)2月に行うという研究計画の特殊性から、20年度には、pre-testで得たデータを、英語力、スピーキング能力、学習者の個人要因については統計処理、文法能力発達については統計処理と質的処理を行って前半の研究を終えた。この結果、留学前段階では、スピーキング能力、文法能力(wh-, howの出現)は、英語能力(TOEIC得点)と有意に相関するが、それらは、学習者の個人要因とはほとんど無関係であることが明らかになった。研究者グループは、この結果を20年8月にスペインで行われた国際学会で発表した。現在は、post-test分析を進めており、英語力とスピーキング能力、文法発達は、留学の期間に深く関係していることが1部の統計結果から明らかになってきた。なお、現在もデータ分析を続けており、目下、最終報告書と研究成果のまとめ出版に向けて鋭意努力中である。
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