少人数会話授業とIT環境を駆使した自己学習空間とを連結させることにより、これまでにない高度な中国語コミュニケーション能力開発プログラムを創出するのが研究全体の目的である。具体的には、早稲田大学における少人数中国語コミュニケーション能力開発プログラム(チュートリアル中国語)を調査対象とし、(1)日本の教室での対面チュートリアル(2)日本の教室と中国・台湾の教室をインターネットTV会議システムで結んだ遠隔チュートリアル(3)北京・台湾の教室で学ぶ現地チュートリアルの3形態の学習の質の相違と相互作用についての分析を行い、その結果をもとに、3形態のチュートリアルの有機的な結合の可能性を探ることを目的としている。 平成20年度は、前年度から継続して、上記(1)(2)(3)の各形態のチュートリアルについて、授業の収録及び文字起こし作業を進めるとともに、それらの分析作業を行った。現地チュートリアル(台湾)については、授業収録データと参加者の学習日記の分析を通して、現地チュートリアルにおける学びのメカニズムの一端を明らかにした(日本中国語学会第58回大会にて報告)。また本研究期間に実施した台湾師範大学現地チュートリアルの成果として現地チュートリアル用教材『青春遊學:日本人學華語』(林秀恵、信世昌編、遠流出版社)が出版された。対面チュートリアルについてもテキストの全面見直しを行い、『快楽学漢語・説漢語-準中級中国語会話』『快楽学漢語・説漢語-中級中国語会話』『快楽学漢語・説漢語-中上級中国語会話』の三冊として出版した。
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