1.小学校におけるスピーキング指導全体の理論的背景、カリキュラムの中での位置づけについては、柳(2007)が「小学校英語教育におけるスピーキング能力養成の位置づけについて」で発表した。また高橋(2007)は、「児童の発話に対するSkill-gettingとSkill-using Activity」としてスピーキング指導の段階を論じた。 2.小学校英語教育におけるコンピュータやインターネット(ICT)の活用については、柳(2007)が岡他(2007)で、「マルチメディア教材、インターネット等(ICT)の活用法」として概観している。現在電子黒板を使った小学校英語教育の実践を研究中であるが、平成19年度中には発表に至らなかった。 3.小学校英語教育でのスピーキング指導の中で評価に関わる部分を先行して研究を進めた。これはコンピュータやインターネットを使用した小学校英語教育の中に今後組み込むべき部分である。高橋・柳(2007)では、ヨーロッパ共通参照枠(CEF)を応用した評価システムの開発の一例として、小学校におけるスピーキング指導を取り上げ今後の可能性を論じている。 4.小学校英語教育の実践研究では、高橋が小野市(兵庫県)の実践指導を通じて、『Enjoy Englishおもしろ授業アイデア集』として、スピーキング指導の具体例を紹介した。また、小学校と中学校の英語教育の連携という側面からもスピーキング指導を捉えて、柳、高橋両名が執筆者に加わった『小学校英語と中学校英語』を出版した。この中では、指導の具体例や実際の活動例が多く紹介されており、中学校において今後四技能のバランスの取れた指導が求められる中で、英語教育の枠組みをどのように整備すべきか等が考察されている。 5.今後の課題として小学校教員研修の中で、マルチメディアを使った英語教育をどのように位置づけるかが考えられる。
|