研究課題/領域番号 |
18520465
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
脇田 博文 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (40352934)
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研究分担者 |
松村 省一 龍谷大学, 国際文化学部, 准教授 (90331131)
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キーワード | 教員採用試験 / 英語教員 / 専門能力 / 有効性・妥当性 / 波及効果 / 日本・韓国 / 大学教員養成 / 標準テスト |
研究概要 |
良質な英語専門筆記試験の研究開発のためには、同試験が採用試験全体の中でどのような機能を果たすのか、どのような能力を評価するのかを明確にする必要がある。このために、本研究の最終段階として、中・高等学校教員採用試験(英語)の妥当性及び波及効果に関する意識調査を日韓中・高英語教員を対象に実施した。本調査の前半は、現行の日韓教員採用試験各段階の現状と問題点を明らかにすること、後半は、5つの試験問題を使用して具体的な英語専門筆記試験も問題開発を行うことを目的とする。本年度は、まず前半部分に関わって、以下の成果と示唆を得た。 (1)優秀な人材を確保するには、筆記試験だけでは不十分であり、それを補完するために、多元的な実技試験を実施することは妥当である。(2)英語教員の一般英語力の評価については、より試験として信頼性の高い標準テスト(TOEFL・TOEICなど)を積極的に活用する。(3)1次英語専門筆記試験では、英語力に偏った現行のような試験ではなく、英語教員に求められる専門的能力をより重視する。(4)1次英語専門筆記試験で最も改善すべき点は、英語教員が備えておくべき最低限の専門的知識や能力、特に外国語教授法、テスト・評価、教材分析・開発などについての理解と応用力を評価することが重要である。(5)1次英語専門筆記試験においては、教科専門試験としての内容的妥当性を一層高めるためには、テスト内容の構成概念として何が最低限必要なのか合意し、英語教員に求められる資質能力のガイドラインを策定する。その上で各都道府県市教育委員会が独自に有効な評価内容・方法・基準を決定することが重要である。 なお、良質な英語筆記専門試験問題モデルの研究開発に関わって、現在、同調査の後半部分を分析・考察中であり、その成果は追って明らかにする。
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