平成19年度においては、前年度の研究をもとに作成したEFL読解練習のためのWebサイト(LMSとしてCEASを採用)を利用して研究をすすめた。データ分析の手法は、質的な研究法の1つであるGrounded Theory Approachを中心としながらも、学習ログなどの数量データの統計解析結果も補足的に利用し、Triangulation(三点測量化)をこころがけた。結果として、1)e-learningでの学習を継続させるためには、メタ認知的な行動(目標設定、学習継続、学習評価など)がきわめて重要であること、2)このメタ認知的な行動は、EFL学力の低い学生にとっては、他律的に提示される必要があること、3)e-learning独特の読解行動(認知方略系:たとえば音声データや検索機能、問題先読み機能などの利用)が出現し、これらが読解力の向上に寄与している可能性があること、などが判明した。その後、上述した知見を参考にWebサイトの改善をはかり、使用感について学習者の反応を得るとともに、学習評価の方法についても、どのようにWebサイトに盛り込むか考察を加えた。また、今年度が本課題の最終年度にあたるため、研究のまとめになる冊子を作成したほか、より多くの研究者・実践者に成果を公開するために研究書を編集し、この出版準備を整えた。
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