研究課題
基盤研究(C)
1年目は、以下に示す2つの研究内容を行った。1)発音の導入指導法開発小学生一中学1年生までの英語学習者を対象として、音声学の専門用語を使用せず、調音法を平易なことばでこどもに理解しやすく説明する為の表現を工夫した。その際に指導者に対する注意点を補い、必要な練習教材を作成した。例えば、/a/では、「あくびの時の口のように大きく縦に開きます」という説明である。また、単音(子音・母音)だけでなく、音声変化(脱落・連結・同化など)や基本的な音調についても指導法を扱っている。2月に英語教育セミナーを開催し、これらの指導法を参加者に示して、その実践とフィードバックを依頼している。2)聞き取り実験日本人の発音する単音について、ERJデータベースから15種類を選択し、合計70語を実験材料とした。英語母語話者、日本人英語学習者、日本人以外の英語非母語話者の三者を対象に、聞き取り実験を実施し、その容認性の程度を調査した。音響分析は、「いわゆる日本人英語と言われる発音」を中心に行い、英語の母語話者(特にアメリカ英語)とは異なる発音でも、EIL(国際語としての英語)という観点からは、容認性が認められるものがあった。例えば、語頭の破裂音では、日本人学習者は気息音が不足していると指摘されるが、容認性ではあまり問題にならない。また、/r/では丸みを帯びた唇の形によって、舌の位置における問題を補えるなどである。また、外国語話者の判定は、その母語の影響から、予想外の反応も見られることが判明した。それらの成果の一部は、外国語教育メディア学会の第46回全国研究大会(京都産業大学)において、研究発表した。
すべて 2007
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関西国際大学コミュニケーション研究叢書 No.5
ページ: 21-31