研究概要 |
本研究の目的は,日本における小学校の英語活動の指導体制の実情を鑑み,音声活動と相乗効果を生むような文字導入方法を検討しながら,指導者のための研修用音声教材とマニュアルを試作,提供することにあった。目的達成のため,「phonemic awareness(音素への気づき)育成」という,日本では新しい概念に立脚した指導法の検討と教材開発が小・中連携の英語プログラムに必要であるという考えのもと,以下の調査研究を行った (1)国外調査:小学校英語が教科導入されている韓国(ソウル市),および台湾(台北市)の小学校,出版社,民間英語教育機関への訪問視察調査,小学校英語関係者への聞き取り調査,資料収集 (2)国内調査:現職公立小学校教員対象とした「小学校英語指導者の資質と研修に関する意識調査」の実施とデータ分析 (3)教材開発:教材開発研究,CD教材と指導者用マニュアルの試作,試作品の教育現場への無料提供およびフィードバックの収集 これらの調査結果から得た知見と課題は次の通りである。 (1)長期的展望に立った一貫性に位置づけるための小学校英語プログラムの必要性 (2)音声活動を土台とした文字への段階的指導における「phonemic awareness育成」の可能性 (3)小学校英語指導者(主に小学校教員)の「英語教授力」の養成と,指導者のための「音声教材」開発の必要性 今後は,本研究成果として配布したCD教材のフィードバックを分析し,「phonemic awareness育成」を目指す指導内容や方法に関する調査研究をさらに続けていく予定である。
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