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2006 年度 実績報告書

日韓文化の比較ー日本八幡宮総本山・宇佐八幡宮の百合若説経と韓国の成造神話ー

研究課題

研究課題/領域番号 18520482
研究種目

基盤研究(C)

研究機関立命館アジア太平洋大学

研究代表者

金 賛會  立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋マネジメント学部, 教授 (00331124)

研究分担者 木内 明  東洋大学, ライフデザイン学部, 助教授 (70298181)
キーワード百合若説経 / 成造神話 / 宇佐八幡宮 / 柞原八幡宮 / 内裏建立 / 屋敷堅め / 万寿寺 / 建築神
研究概要

韓国の百合若系説話であるシャーマンによる「成造神話」は、全体的なあらすじとキャラクターが日本八幡宮総本山・宇佐八幡宮の神様の由来を語る「百合若説経」と非常に似ている。大分には同伝説と関わる宇佐八幡宮や柞原八幡宮と万寿寺、百合若大臣塚などがある。「百合若説経」は、百合若大臣という英雄が部下達の裏切りによって無人島に置き去りにされるが、鳥の助け(鳥の文使い)によって故郷に帰り、裏切り者を退治した後、大分の宇佐(柞原)八幡神として現れる話である
本研究は、日本八幡宮総本山・宇佐八幡宮の百合若説経と韓国の成造神話の歴史的、民俗学的比較研究を行なうことに目的があった。今回の研究、現地調査を通して次のような成果が得られた。
1.日本の百合若諸本と韓国の百合若系諸本を比較検討してみた結果、諸本の中で大分柞原(宇佐)八幡神の前世を語るシャーマンによる「百合若説経」と韓国の「成造神話」が内容において一致が見られた。また、両者は同じシャーマンによって伝承されている。今まで両者の関わりを指摘し、具体的に比較検討した研究はなかった。
2.「百合若説経」では物語の一番初めに<内裏建立の段>が置かれ、結末のところに<屋敷堅め>が設けられたのか。その理由は何なのか。従来の諸先学の研究ではその理由を追求した者はなかった。しかし、ここには「百合若説経」の本当の姿が秘められている。「百合若説経」と同じシャーマンによる韓国の「成造神話」の伝承台本、信仰の背景を詳しく調べてみた結果、「成造神話」でも物語の一番初めに<内裏建立の段>が置かれ、結末のところに<屋敷堅め>が置かれるなど、その神話の内容と祭りの構成が具体的に一致していることがわかった。また韓国の「成造神話」が家を建てる建築神の儀礼であることがわかり、「百合若説経」もかつては建築神の由来神話として語られた時期があったことが明らかになった。
3.韓国シャーマンによる「成造神話」と、宇佐八幡宮の八幡神の由来を語る「百合若説経」との間で一致が見られるならば、大分、特に日本の八幡信仰の総本山・宇佐神宮と韓国の宗教者との関わり、文化交流の歴史的背景なども具体的に究明しなければならないが、これについては次の研究に譲りたい。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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