研究課題
基盤研究(C)
本研究は、日本と韓国の文化ならびに地域交流に関する歴史的比較研究を行なうことに目的があった。今回の研究を通して次のような成果が得られた。1.シャーマンによる日本の「百合若説経」と韓国の「成造神話」を比較検討してみた結果、両物語は同根の神話であることが分かった。2.韓国の「成造神話」は家を建てる建築神の物語であり、「百合若説経」にも建築神としての性格が色濃く残っていることから、日本の「百合若説経」もかつては建築神の由来物語として存在していたことが明らかになった。3.「百合若説経」の伝播経路は、韓国-対馬-壱岐-玄海島-佐賀-宇佐-大分市のルーツが考えられる。4.「百合若説経」を日本に運んだのは宇佐神宮の八幡祭祀集団であり、特に朝鮮半島と関わりを持っていた禰宜の辛嶋勝意布売、豊国奇巫、豊国法師などのシャーマンの存在が注目される。5.八幡神は製鉄の神と考えられるが、主人公の百合若が使った鉄の弓と、百合若の手紙を運んだ鷹は古代伽耶国の製鉄文化と深く関わるものであった。6.大神氏の祖神を祀る狭井神社の祭りでは、三輪山に咲く百合の花を捧げ、ご神体(三輪山)の化身が百合の花であった。「百合若大臣」の「百合」はこれに由来するもので、「百合若説経」には大神氏(三輪氏)が深く関わっていたことが明らかになった。この研究結果が社会に還元されることによって、両国の活性化とともに多方面での文化交流ができるきっかけとなり、両国の歴史・文化交流史において金字塔を築くという大きな意味を持つ。
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全国公共図書館長協力活性化特別講演資料集韓国 2008号
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韓国日本近代学会第18回 国際学術大会集 2008号
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ポリグロシア 13
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