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2008 年度 実績報告書

慶安御触書の全国流布過程とメディアリテラシー

研究課題

研究課題/領域番号 18520490
研究機関信州大学

研究代表者

山本 英二  信州大学, 人文学部, 准教授 (20262678)

キーワードけ慰安御触書 / メディアリテラシー / 近世日本
研究概要

1) 本年度の研究では、昨年度までの調査をふまえながら、史料収集を継続しておこなった。調査をおこなった主な調査先は、東京都・徳川林政史研究所、東京都・国立国会図書館古典籍資料室、長野県木曾郡王滝村御嶽神社、新潟県小千谷市魚沼神社、三重県三重県立図書館、山口県岩国市岩国徴古館などである。
2) 調査の結果、新たな「慶安御触書」関係の史料を発見することができた。とくに、「慶安御触書」の発見には、飢饉ガイドマニュアル「農喩」および教諭書「六諭衍義大意」といった同寺に配付されることが多かった史料を合わせて調査する事が有効であると確認することができた。
3) なかでも天保6年(1845)に筑前国秋月藩が配布した「農喩」は、天保2年の美濃国岩村藩版をそのまま利用し、新たに刊記を加えて配ったことがわかった。よって、従来文化13年(1816)に「慶安御触書」配布の可能性が指摘されていた秋月藩であるが、その可能性は薄く、やはり天保年間をさかのぼらないと結論できる。
4) ほかに幕府代官古山善吉も、息子の善一郎により「六諭衍義大意」を出版したことが知られていたが、善吉の時代に「農喩」と「慶安御触書」を入手していた事実が明らかとなった。
5) さらに伊勢国亀山藩周辺では、「慶安御触書」の原型である「百姓身持教訓」を流布させていた可能性があることがわかった。
6) 以上の成果の一端については、『古文書研究』誌上に公表することができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 秋月藩版『農喩』と慶安御触書2008

    • 著者名/発表者名
      山本英二
    • 雑誌名

      古文書研究 66

      ページ: 112-113

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 史実としての家康説話集2008

    • 著者名/発表者名
      山本英二
    • 雑誌名

      江戸文学 39

      ページ: 103-112

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本中近世史における由緒論の総括と展望2008

    • 著者名/発表者名
      山本英二
    • 雑誌名

      歴史学研究 847

      ページ: 2-10

    • 査読あり
  • [学会発表] 温泉と貸本-城崎温泉を事例に-2008

    • 著者名/発表者名
      山本英二
    • 学会等名
      「書物・出版と社会変容」研究会
    • 発表場所
      一橋大学佐野書院
    • 年月日
      2008-07-05
  • [図書] 「風林火山をめぐる記憶と由緒」(高埜利彦ほか編『近世の宗教と社会』第1巻)2008

    • 著者名/発表者名
      山本英二
    • 総ページ数
      2-33
    • 出版者
      吉川弘文館

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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