前年度にひきつづき、(1)以酊庵輪番制に関わる史料・論文、(2)対馬藩士の手になる外交史料(『善隣通交』『善隣通書』ほか)、(3)(1)(2)と密接に関連すると思われる対馬藩政史料〔国元日記や江戸藩邸日記〕、(4)元禄竹島一件に関わる論文、史料、を収集した。収集史料のうち、いくつかについて翻刻および分析作業を進めた。 上記のうち(1)については、現時点で得られる先行研究の整理を行った上で、以酊庵輪番制研究の問題点を整理した。それらのうち、第86代輪番僧であった梅荘顕常の動向に関わって口頭報告を行い、参加者からの批判を仰いだ(2008年12月15日、九州国立博物館開館3周年記念国際シンポジウム第2セッション〔九州国立博物館〕、同年12月25日、アジア的公共性を問い直す日韓研究プロジェクトシンポジウム〔名古屋大学〕)。(2)(3)については、研究成果報告書に成果を盛り込んだ。(4)については、二回の口頭報告(2008年6月23日、朝鮮史研究会関西部会〔河合塾大阪校舎〕、同年11月17日、朝鮮史研究会関東部会〔東京大学〕)を踏まえて原稿化した(研究発表欄の『鳥取地域史研究』論文)。
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