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2007 年度 実績報告書

「紀伊水道およびその周縁部における中世海運・流通の研究」

研究課題

研究課題/領域番号 18520495
研究機関大阪教育大学

研究代表者

綿貫 友子  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40314447)

キーワード日本中世史 / 紀伊水道 / 海運 / 流通
研究概要

大物浦を通過せずに瀬戸内海から太平洋航路に接続が可能な鳴門海峡を経由する航路の実態の検討と、立地のうえから瀬戸内海・太平洋双方向の航路利用が考えられる土佐国の海運の実態を検討し中継拠点としての機能を明らかにすることを主に、前年度からの研究を継続した。
前者については、高野山領関連史料にみえる貢納物輸送や渡航事例などから、備後国から小豆島南岸もしくは播磨灘を南下し、淡路国南岸部、鳴門海峡経由で紀伊湊に至る航路が、季節や自然条件による制約を受けながらも常態的に存在し、利用されたことを確認した。また、後者については、土佐と畿内とを結ぶ太平洋の航路が、遣明船の発着地が兵庫津から堺津へと変更された事例などをもとに、従来、応仁の乱による瀬戸内海航路の支障によって促されたとみなされてきたのに対し、鎌倉期、既に通航事例があることを検証し、畿内における造営用材の重要な供給ちとして、石清水八幡宮・高野山・根来寺・熊野三山などの寺社領・末寺・分社などとの関わりにおいても海運が重要な役割を果たしたことを確認した。現地調査については、鳴門海峡経由の航路にも関わりをもつ讃岐国の引田について、香川県歴史博物館でのシンポジウム「四国を取り巻く海と文化」参加に併せて行なわれた巡見に参加し、また、昨年度、実施できなかった紀伊水道の東側、和泉国・紀伊国に関しては、和歌山県海南市沿岸部から新宮市沿岸部にかけて巡見、調査した。研究成果として「熊野をめぐる海の道」他の論稿を執筆し、入稿中のものが複数稿あるが、出版社との調整などの事情から年度内の刊行は叶わなかった。史料紹介が主となったが、調査成果の概要は、本年3月、科学研究費補助金研究成果報告書にまとめ刊行した。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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