地方長官会議の歴史的研究の基礎的条件は、全国の県立文書館・県庁等に分散所蔵されている会議関係一次史料・関係史料の網羅的収集である。このため、3年計画の第1年目である平成18年度は、交付補助金を活用して、次の史料の調査・収集を行った。 (1)地方長官会議関係一次史料の調査と収集 これまでに調査・収集を終えた群馬県・神奈川県・新潟県・奈良県・東京府等の府県庁文書に加え、栃木県・福島県・宮城県・秋田県・鳥取県・岡山県・山口県・沖縄県の各県庁文書中の会議史料を当該県文書館で調査し、デジタルカメラにより撮影収集した。また、滋賀県庁において同県庁文書の調査を行い、関係史料の閲覧請求を行った。さらに国立公文書館所蔵内閣各省文書等の調査を行い、関係史料を確認した。 この外、会議に出席した知事の中、北垣国道京都府知事の会議出席記録を、同知事の自筆日記『塵海』(京都府立総合資料館蔵)によって同資料館で調査し、筆写採録した。 (2)会議における天皇の出席知事に対する下問と知事の地方事情奏上関係史料の調査と収集 まず、宮内庁書陵部において、明治天皇については『徳大寺実則日記』、大正天皇については『大正天皇実録』を閲覧・調査し、関係記事を複写収集した。昭和天皇については岩手県・山形県・岡山県・広島県・沖縄県の地方新聞・全国紙地方版を、各県立図書館と日本新聞博物館新聞ライブラリーにおいて記事検索し、複写収集した。 以上の外、府県制下の地方長官会議の前身として1874年から1880年まで3回開かれた地方官会議関係文献『明治前期地方官会議史料集成』(第一・二期)を購入した。 現在、以上の史料データの一覧を作成し、研究代表者の所属機関ホームページに掲載・公開する準備を進めるとともに、その分析を行っている。
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