研究課題/領域番号 |
18520514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
小林 一岳 明星大学, 人文学部, 教授 (20298061)
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研究分担者 |
蔵持 重裕 立教大学, 文学部, 教授 (70153369)
酒井 紀美 茨城大学, 教育学部, 教授 (60400595)
則竹 雄一 明星大学, 人文学部, 講師 (30424782)
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キーワード | 紛争 / 秩序 / 山野 / 環境 |
研究概要 |
本年度の山野紛争関係史料のデータベース化については、『平安遺文』及び『鎌倉遺文』を中心に史料の抽出作業を行った。現在平安遺文については終了し、鎌倉遺文からの抽出作業は鎌倉前期についてはほぼ作業は終わり、現在後期の史料の作業を進めている。 抽出済みの平安期の史料については、研究分担者の蔵持重裕を中心に分析・研究をすすめ、領城型荘園の形成にともなう山野の囲い込み運動の中で、荘園住民の山野開発・用益にともなって紛争が勃発し、それが荘園の四至の確定へと向かっていく点について、山城国賀茂荘と山田牧の紛争等を題材としながら研究を進めている。また鎌倉期については、この時期に紛争が集中する摂津国勝尾寺周辺村落及び山城国禅定寺周辺村落を主な題材としつつ、その紛争の特徴について分析・研究を進めている。その結果、鎌倉期になると、村落住民の山野開発・用益の進展の結果、一度確定した四至の変更や再設定にともなう紛争が多く生まれ、その際寺社領荘園の場合には殺生禁断イデオロギー等が山野領有の正当性として使用され、また村の武力が山野の当知行のために積極的に使われている点が特徴的なこと等が明らかになった。 また、平安期から鎌倉期にかけて紛争が断続的に勃発する山城国禅定寺周辺村落については、史料の分析・研究を進めるとともに、現地調査を実施した。その結果、禅定寺文書及び禅定寺区有文書から近世までも含む山野紛争関係史料の調査を行った。さらに禅定寺に近接する近江国の曾束荘・小田原荘や大石荘・龍門荘の現地調査及び文書調査も同時に実施した。その結果、山野紛争は当事者の村や荘園だけの問題ではなく、資源の流通も含む、地域社会の構造的な問題がその背景にあることが明らかになりつつある。
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