研究状況の把握と研究文献の収集をすすめ、それにもとづいて問題点の明確化と追究課題の鮮明化をはかること、史料状況を全国にわたって把握し、史料の所在情報を集積して、基本史料の複写・収集をはかり、本格的研究の前提を準備すること、本格的分析のための"道具"として、内務官僚に関する基礎データの集積をはかり、データベース化を推進すること、上記の研究文献情報・史料所在情報・内務官僚データベースについて、インターネット上で公開することを2年間の目標として設定し、初年度は以下の成果を収めた。第一に、内務省・内務行政に関する研究状況を把握するため、関係著書・論文等を調査して目録化の準備をはかった。第二に、内務官僚に関する人事データを集積するため、『内務省人事総覧』から内務官僚に関する情報を摘出し、データベース化の準備をはかった。具体的には、明治34年分〜昭和18年分の予定したデータ入力を終了し、その点検作業も一部を残して終了した。さらに明治20年〜33年分の入力・点検作業を途中まですすめた。第三に、内務省・内務行政関係史料の所在状況の把握をはかるため、中央の機関等所蔵史料の調査を中心的に推進した。具体的には、国立国会図書館憲政資料室所蔵の個人史料(「大野緑一郎関係文書」「新居善太郎文書」など)、国立公文書館所蔵の史料(「自治省から移管された旧内務省文書」「警察庁公文書」「返還文書」など)の調査をすすめた。第四に、以上の作業の進捗をはかるため、大学院博士後期課程の学生を中心とする研究会を発足させて、都合7回の研究会を重ね(2006年7月22日、9月11日、10月10日、11月18日、12月8日、2007年1月20日、3月15日)、実務的な作業推進について定期的に協議するとともに、3度にわたって外部から講師を招き、基礎的研究についての専門的知識の提供を得た。
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