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2006 年度 実績報告書

後藤新平にみる西洋公衆衛生思想の受容

研究課題

研究課題/領域番号 18520524
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大手前大学

研究代表者

尾崎 耕司  大手前大学, 人文科学部, 助教授 (10309396)

キーワード日本史 / 19世紀 / 公衆衛生 / 行政 / イギリス / ドイツ / 自治 / 身体
研究概要

後藤は、1876年から勤務した愛知県病院でA・ローレッツに師事するなどを通して、ドイツ学の影響を強く受けた。なかでもドイツの衛生医官Louis-Pappenheimの著作から強く影響を受けたことを本人も認めている。そして、そのPappenheimらの著作を通じてイギリスの公衆徳生制度、特に1871年創設のthe Loca1 Government Board(以下、LGB)と、その創設に尽力したイギリスの衛生家John Simonの思想に注目している。そこで、ここから本年度は、次の二点を実施した。
(1)まず、前記Pappenheimの著作や、愛知県病院の関連資料(A・ローレッツの講義概要等を含む)が名古屋大学付属図書館医学部分館に多数保管されている。そこで国内調査として2006年12月26、27日の両日をかけて同所に赴き、資料の調査をおこなった。ここでは、Pappenheimの著作や愛知県公立医学校刊行の『医事新報』で同館に所蔵されている分すべてのほか、愛知県病院時代の後藤やA・ローレッツの事績を示す史料全てをデジタルカメラで撮影し、ファイルを持ち帰った。
(2)次に、海外調査として、2006年8月23日〜9月1日にかけてイギリスのPublic Record Officeおよび大英図書館を訪れ、LGBや、John-Simon、John-Lambertらその創設にかかわった人物の資料の調査をおこなった。ここでは、当初の計画通り、Public Record Office所蔵のJohn-Lambertに関する個人ファイル(MH32/30John Lambert,correspondence and papers related to the North Midland District and York Division.1856-1871)をすべてデジタルカメラにより撮影した。また、大英図書館で19世紀公衆衛生関係文献の調査をおこない、そこで、後藤はイギリスの衛生制度を記述する際、柴田承桂『衛生概論』をも引用しているが、その柴田の議論が、そもそもJ.W.MooreらのManual of Public Health for Ireland.などアイルランドの衛生家の議論に依っていることを文献の内容からつきとめた。その他、時間の許す限り文献の閲覧をおこない・、複写物を持ち帰った。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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