後藤は、1876年から勤務した愛知県病院でA・ローレッツに師事するなどを通して、ドイツ学の影響を強く受けた。なかでもドイツの衛生医官Louis-Pappenheimの著作から強く影響を受けたことを本人も認めている。そして、そのPappenheimらの著作を通じてイギリスの公衆衛生制度、特に1848年のthe General Board of health創設から1871年のthe Local Government Board設置に至るその中央集権化のプロセスに注目している。そこで、本年度は、2008年8月18日〜8月29日にかけてイギリスでの海外調査を実施し、ロンドン大学図書館のSpecial Collectionsを訪れ、そこに収められるCHADWICK PAPERSを閲覧して、E. Chadwickの公衆衛生改革に関連する文書の調査をおこなった。また、昨年度に引き続きPublic Record Officeに赴き、John Simonに関係する公文書の調査を進め、時間の許す限り文献の閲覧をおこない、複写物を持ち帰った。
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