研究概要 |
清朝皇帝は, 支配対象に合わせて言語や価値体系の内容を自在に切り替えることにより, 多民族を円滑に支配したのであり, 対する民族の如何によって自在にその姿を変える満洲王朝の多元性こそが, 清王朝の本質である。本研究では, 清朝皇帝はなぜ, 支配対象に合わせて言語や価値体系の内容を自在に切り替えることが可能だったのかを, 康煕朝後半の内陸アジア政策を例にとりながら, 康煕帝の側近として活躍したモンゴル人チベット仏教僧シャンナン=ドルジ及びチャハル部に出自を持つ蒙古旗人官僚アナンダに着目して検討していく。
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