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2009 年度 実績報告書

内モンゴルに対する初期の蒙古例と清朝法制史

研究課題

研究課題/領域番号 18520539
研究機関神戸大学

研究代表者

萩原 守  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20208424)

キーワードモンゴル法制史 / 清王朝 / 法典
研究概要

本研究「内モンゴルに対する初期の蒙古例と清朝法制史」は、4年計画で崇徳3(1638)年のモンゴル文法規(軍律、北京・国家図書館所蔵)、康煕6(1667)年のモンゴル文法典(北京・中国第一歴中档案館所蔵)、康煕35(1696)年のモンゴル文法典(ウランバートル・モンゴル国立図書館所蔵)の計3点の蒙古例法典を比較研究し、清朝前半期における蒙古例の起源を問う、という目的を持っている。
最終年度たる平成21年度は、内モンゴルから中国東北部へ編入された地域の漢文地方誌を補充・参照できたが、『清内国史院档』購入は資金不足で実施できず、次期の科研に回すこととなった。次に、崇徳3年軍律を漢文版軍律(台湾・中央研究院所蔵)と比較対照する作業は順調に進み、両者の対応関係はほぼ確実に解明できた。続いてこの軍律が康煕6年の法典や康煕35年の法典に含まれているのかどうかという問題であるが、やはり予想通り、康熈6年の法典にはこの崇徳3年軍律はまだ含まれておらず、康熙35年の法典に至って、初めて蒙古例法典の中にこの条文が入ったということを確定できた。さらに康煕35年の法典や後の乾隆年間の法典中の条文がかなりの改変を受けていることを細かく検討し、八旗の法から蒙古例への編入という、蒙古例形成課程の一類型を詳して抽出することができた。これら一連の作業は平成21年度中に完了して何とか結論を出すことができたため、3月に学術雑誌に投稿した。
また康熙6年法典の訳注は予定通り進めることができたが、崇徳3年軍律がそれ以前のどの法規にまで遡れるのかということを『満文老档』、『満文原档』、『清内国史院档』によって検討することは、時間的に実施できなかった。したがって蒙古例の起源を探る総合的研究は、康煕35年頃の法典の訳註とともに、引さ続いて次期科研の研究課題とし、上記軍律の問題とともにより深く究明していくことにしたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      萩原守, 白石典之, らと共著
    • 雑誌名

      チンギス・カンの戒め-モンゴル草原と地球環境問題-(同成社)

      ページ: 162-172

  • [学会発表] 清代蒙古的公文書書式与起源(モンゴル語で講演。表題のみ中国語)2009

    • 著者名/発表者名
      萩原守
    • 学会等名
      内蒙古社会科学院による招待講演
    • 発表場所
      中国・内蒙古・呼和浩特市
    • 年月日
      2009-09-07
  • [学会発表] 清代外蒙古的 Yeke shabi 的裁判与法(モンゴル語で講演。表題のみ中国語)2009

    • 著者名/発表者名
      萩原守
    • 学会等名
      内蒙古典章法学与社会学研究院による招待講演2
    • 発表場所
      中国・内蒙古・呼和浩特市
    • 年月日
      2009-09-06
  • [学会発表] 18世紀外蒙古的法律交代(モンゴル語で講演。表題のみ中国語)2009

    • 著者名/発表者名
      萩原守
    • 学会等名
      内蒙古大学による招待講演
    • 発表場所
      中国・内蒙古・呼和浩特市
    • 年月日
      2009-09-05
  • [学会発表] 16-19世紀蒙古民族的法制史研究状況(モンゴル語で講演。表題のみ中国語)2009

    • 著者名/発表者名
      萩原守
    • 学会等名
      内蒙古典章法学与社会学研究院による招待講演1
    • 発表場所
      中国・内蒙古・呼和浩特市
    • 年月日
      2009-09-04
  • [図書] 体感するモンゴル現代史2009

    • 著者名/発表者名
      萩原守(単著)
    • 総ページ数
      419
    • 出版者
      南船北馬舎

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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