本研究では、清代に中国沿岸に漂着した琉球漂着民について[漂流の時期的特徴及び時代背景][漂流・漂着月][漂着地][漂着船の種類][航海理由及び装載貨物][漂着民の救助形態][漂着者数・死亡者数][死亡理由及び埋葬処置][救済(撫恤)における銀(存公銀)の支出][中国側通事(土通事)の役割][福州における漂着者の身元確認(訳訊)][破損船の修理・修復][船の売却(変売)][搭載貨物の売却(変売)][福州への護送方法・経緯][沿岸各省における救済(賞賚)品目][福州における下賜品(加賞)の賞給方法][搭載貨物の免税措置][漂着者の送還方法][漂着者救済に関する行政文書の収発経路]の20項目に関するデータベースを作成して、そのデータベースに基づいた統計的・体系的な分析研究が中心となる。 平成19年度は、[漂着者数・死亡者数][死亡理由及び埋葬処置][救済(撫恤)における銀(存公銀)の支出][中国側通事(土通事)の役割][福州における漂着者の身元確認(訳訊)][破損船の修理・修復][船の売却(変売)]の7項目のデータの整理および分析研究をすすめた。データベース作成や研究を進めるにあたっては、『清実録』『歴代宝案』『中山世譜』『明清史料』『内閣大庫档案』『明清档案』『清代外交史料』『清季外交史料』『籌弁夷務始末補遺』『四国新档』『清代中琉関係档案選編』『清代中琉関係档案続編』『清代中琉関係档案三編』『清代中琉関係档案四編』『清代中琉関係档案五編』『清代琉球国王表奏文書選録』を利用する以外に、北京の中国第一歴史档案館収蔵档案及び台北の故宮博物院・中央研究院収蔵の『宮中档』『軍機档』『内閣大庫档案』の中の琉球漂着民関連資料をさらに収集する作業を進めなければならない。今年度も台北の故宮博物院、中央研究院、中央図書館台湾分館、国家図書館を中心に関連資料の調査収集をおこなった。
|