今年度は、日本植民地下の台湾「華僑」の実態解明を本格的におこない、その動向から抗日と親日など、特質を明確にした。特に台湾総督府の「華僑」戦略との関連、さらに汪精衛の南京傀儡政権に対する「華僑」の複雑な対応を実証的に明らかにした。こうして本年度の研究目的をほぼ完遂した。研究成果として、「抗日戦争時期における台湾『華僑』の動向と特質」(「研究発表」参照のこと)も発表した。また、予定通り、次年度以降の研究のために、朝鮮華僑の新史料、補強史料の調査収集も徐々に開始しており、研究基盤を整備充実し、来年度は予定通り朝鮮華僑の研究を論文として発表する計画でいる。 (1)戦時期、華僑、及び台湾関連の図書・新聞を購入し、「物品費」(消耗品費)はこれに充てた。 (2)台湾で中央研究院近代史研究所、台湾史研究所、台湾大学図書館、及び南投の国史舘文献館などで史料の調査をおこない、良質の関連史料を大量に入手した。また、海外旅費はこれに充てた。 (3)外交史料館などで、朝鮮華僑、特に万宝山・朝鮮事件における大量の史料を調査収集した。国内旅費、及び「その他」(史料焼付費)はこれに充てた。 (4)上記の通り、研究成果として論文「抗日戦争期における台湾『華僑』の動向と特質」発表した。
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