本研究はロシア革命=内戦において重要な位置を占め、ユニークな軌跡をたどったグルジヤ・メンシェヴィキの歴史的研究を課題とする。二年目である平成19年度は当初の計画通り、革命=内戦期とグルジヤ共和国期を中心として、メンシェヴィキの諸潮流が戦争と革命の問題をめぐってくりひろげた論争、意見の分岐を歴史的に考察し、そのなかでのグルジヤ・メンシェヴィキの役割と位置を明らかにする研究を進めた。 主に次の諸点について考察した。 ツェレテリと十月革命 ジョルダニヤとザカフカスの革命 十月革命とザカフカス連邦共和国の独立と分裂 グルジヤ民主共和国の独立 グルジヤ社会民主党の形成、ロシア党との対立 グルジヤ民主共和国の政治過程 グルジヤとソヴェト・ロシア 史料の調査、収集においては、秋のモスクワの二つのアルヒーフ文書館での研究と、昨年度に引続きハーヴァード大学ホートン図書館所蔵のメンシェヴィキ・グルジヤ亡命政府のコレクションGeorgian Archiveのマイクロフィルムでの収集(昨年度、同図書館が必要条件として求めたグルジヤ国立歴史アルヒーフからの複製許可状の取得について、グルジヤの歴史家の多大な協力をえた)が特筆される。これは本研究課題にとって第一級の史料である。
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