• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

後期ローマ帝国時代西方属州の政治的展開に関する多元的解析の試み

研究課題

研究課題/領域番号 18520563
研究機関京都大学

研究代表者

南川 高志  京都大学, 文学研究科, 教授 (40174099)

キーワードローマ帝国 / 古代末期 / 属州 / ゲルマン人 / ブリテン島 / ドイツ / スイス / リメス
研究概要

研究の第2年目にあたる本年度は、まず前年度からの継続作業として、欧米における研究史の精査をおこなった。「古代末期学派」台頭時から今日に至るまでの研究史をおおよそ把握できた。さらに、こうした研究史を検討してわが国学界の欧米学界に対する独自性を明確化するために、後期ローマ帝国時代史研究に従事する日本人研究者の間で討論をするシンポジウムを企画した。この準備は年度内にすべて終わり、平成20年5月開催の日本西洋史学会大会古代史部会において実施することになっている。 次に、本年度は2度の海外調査を実施した。第1回目はウィーン大学を拠点とし、同大学のハンス・トイバー教授の支援の下で、ドナウ川上・中流域の属州の実態に関する研究資料調査をおこなった。同教授やその指導下の研究者との意見交換も有意義であった。さらに、ハンガリーのブダペストにおいて、帝国属州パンノニアの中心都市アクインクムの遺跡調査をおこなった。調査にあたっては、同遺跡博物館のマギット・ネメト博士らの支援を受けたが、とりわけ同博士が発掘を担当したローマ浴場遺跡について、自ら懇切丁寧に案内・説明してくれたおかげで、短時間でも効率的に遺跡の情報を得ることができた。アクインクム博物館のスタッフの力添えを得、ブダペスト市内に散らばった遺跡をつぶさに調査できたことは、本研究が属州の実態を踏まえた政治史を構想しているだけに、たいへん貴重であった。この調査については、公刊済みの発掘報告書などを改めて参照の上、次年度に報告書を書く予定である。2度目の調査はドイツ・ハイデルベルク大学にて実施した短期間のもので、旧知のヴィトシェル教授らの厚意により、3、4世紀の公刊史料の利用で成果を得た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The Power of Identity: a Japanese Perspective on Ancient History2008

    • 著者名/発表者名
      Takashi Minamikawa(南川高志)
    • 雑誌名

      A. Chaniotis, et. al.(eds.), Historicizing Classics(ドイツFranz Steiner社出版予定) (所収)

    • 査読あり
  • [学会発表] 遺跡と表象から考える古代ローマ帝国像2007

    • 著者名/発表者名
      南川高志
    • 学会等名
      関学西洋史研究会第10回年次大会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2007-11-18

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi