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2009 年度 実績報告書

後期ローマ帝国時代西方属州の政治的展開に関する多元的解析の試み

研究課題

研究課題/領域番号 18520563
研究機関京都大学

研究代表者

南川 高志  京都大学, 文学研究科, 教授 (40174099)

キーワードローマ帝国 / 古代末期 / 属州 / ゲルマン人 / ブリテン島 / ドイツ / スイス / リメス
研究概要

本年度は、本研究の最終年度であるため、残された課題を克服し、また成果をできるだけまとめ、次のプロジェクトに引き継がれるよう整理することに力を入れた。
後期ローマ帝国時代のライン川以西の状況の把握が重要な課題であり研究文献で従来の知識の整理をおこなうと同時に、海外調査を実施して、遺跡や遺物の調査をおこなったが、多くの新たな知見を得ることができた。拠点としたのはスイス、ジュネーブにあるハルト財団古典学研究所であり、この研究施設の豊かな研究文献を利用するとともに、ジュネーブから列車で容易に訪問できるローマ帝国属州ガリァの地域の遺跡や博物館を調査した。
フランスのリヨン市のガロニローマン博物館、オータン市の劇場などの遺跡、ヴイエンヌ市の博物館や遺跡をみることができたが、中でも、ヴィエンヌの博物館所属のモザイクの豊かなコレクションと建物遺構は、この地のいわゆる「ローマ化」の性格を考える上できわめて貴重であり、美術史・建築史的観点だけでなく、生活史の面でも示唆に富むものである。本研究の核となる時期のガリアを考える上で重要な場所であるオータンは、現在でもローマ時代の都市域の大きさや構造がよく分かり、政治的な実態を考える上で、限りない示唆を与えてくれた。
こうした「ローマ」側の解明は、物質文化の資料に基づいて進めることができたが、移動してきた「ゲルマン」の側の理解については、本年度は理論的な整理に力を入れ、コンズタンティヌスからユリアヌスにいたる時代の西方属州のハイブリッドな性格を明確に表すモデル的なものの構築を構想することをも試みた。これは、今後の研究プロジェクトに引き継ぎたい方法である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ローマ帝国の『衰亡』とは何か2009

    • 著者名/発表者名
      南川高志(編)
    • 雑誌名

      西洋史学 234

      ページ: 61-73

    • 査読あり
  • [図書] ローマ帝国時代のブリテン島(ブリテン諸島の歴史 第1巻)2010

    • 著者名/発表者名
      P・サルウェイ(編蓍) 南川高志(監訳)
    • 総ページ数
      360
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会(予定)

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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