西ドイツの建国は1949年だが、当初は権威主義的で反民主主義な1933年以前からの政治文化との連続性が強く、戦後民主主義の定着は自明だったのではなかった。政治文化の本質的変化を伴いつつ民主主義が根付いた「第二の建国期」と言うべきは1960年代で、そのテーゼを裏付ける様々な社会分野の変動と近代化プロセス、また1968年の抗議運動のインパクトを分析した。また、ドイツでの未刊行一次史料の発掘を行いつつ、1960年代ドイツ社会民主党史の実証研究を進め、「研究成果」に記すようにいくつかの不適切な定説を修正した。
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