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2007 年度 実績報告書

近代フランスにおける公共空間における宗教活動と公権力

研究課題

研究課題/領域番号 18520572
研究機関清泉女子大学

研究代表者

松嶌 明男  清泉女子大学, 文学部, 准教授 (20306210)

キーワード西洋近現代史 / フランス史 / フランス革命史 / ナポレオン体制 / 宗教政策史
研究概要

平成19年度は清泉女子大学からサバティカルを与えられ、一年間、本格的な実地調査をフランスで行うことができた。パリに拠点を構え、まず最初にフランス国立図書館西洋手稿史料部で網羅的な史料調査を行った。ここで中心となった調査対象は、各地の自治体が押収してパリに送ってきた、教会の鐘および聖具類に関するパリ造幣局の受領リストである。次に、パリでサンキュロット達の活動の拠点となった各セクションのうち、同手稿史料部が収蔵するパリ2区及び11区に属する各セクションの史料の調査を行った。これはパリ造幣局史料の調査の結果、その中にパリ市の記録がほとんど含まれていないことが判明したためである。この調査により、この時期特有の「政府とパリ市の二重権力状態」がこの問題でも起きていることが判明した。さらにこの調査により、教会の備品、特に礼拝に使用される聖具類に対する取り扱い方は、聖なるものに対する暴力ないし民衆相手の啓蒙の儀式と呼びうる性格を与えられていたという仮説を立てるに至った。続いて、フランス国立中央文書館での実地調査を再開した。例年、トラブル続きの文書館であるが、今回も難題を抱えた。秋からはサルコジ政権に対して各組合の波状ストライキが起きた。さらに年末からは、文書館の史料用エレベーターが耐用年数を過ぎて劣化したことによる故障多発のトラブルを抱えることとなった。ただし、今回の調査は多岐に渡るものであったため、宗教政策関係のF/19系列が閲覧不能となった日も、他の系統で調査を続行することができた。今回はパリ造幣局史料室とフィニステール県文書館とイル=エ=ヴィレーヌ県文書館でもほぼ同内容の調査を行い、未利用の史料を中心とする多数の成果を得ることができた。ただし、得難い機会である一年間のフランス滞在を生かして網羅的な史料調査を精力的に行ったため、それを研究成果にまとめることは今後の課題となった。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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